2017年3月アーカイブ

端午の節供

 お節句は一年の無事に感謝し、これからの一年の平安を祈る日です。その象徴となる節句飾りを飾り、お供えをします。チマキや柏餅などを供え、そのあとでみんなでお下がりをいただきます。日本中でおこなわれているお祭りの直会(なおらい)と同じですね。
 大切なのはその「気持ち」で、どんな兜を飾るか、ではありません。そうしたご家族のお気持ちを受け止められるような象徴=節句飾りでなければならないと思っています。お座敷いっぱいの豪勢な節句飾りもよろしいですし、マンションにお住まいの方に合わせた小ぶりなものでも良いのです。
 節句は以前は節供と書かれたように、感謝と祈りのためにお供えをするということが大切なのです。私はおもちゃに対してなにかを供えるる気持ちがあまり湧かないので、小さくてもちゃんとした節句飾りをご提供したいと思っています。赤ちゃんの時に揃える方が多いので可愛いものをご希望される方もいらっしゃいますが、可愛いものでもお子さまの生涯(100年間)にわたって飾れるようなものをご提案しています。
 画像のような小さなお人形でも良いですし、兜もこのように樅箱(本式です)で飾れば、ほんの小さなスペースでも飾ることができます。ご家族のみなさんのお気持ちを受け止められる節句飾りです。

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五月人形って?

 特に若いパパ・ママには五月人形を飾ることに疑問を抱いている方が多いと思います。実家のお父さまお母さまはなぜそんなものに高いお金を払いたがるのか?そんな疑問をお持ちの方にすこしお応えしたいと思います。
 まず第一に、可愛い孫だからです。「生まれて初めてのお節句におじいちゃんおばあちゃんが揃えてくれたんだよ」のご両親のお言葉に、お子さまがどれだけ喜びを感じ、自分が生まれてきたことに大きな自信を持つことができるかをご存知だからです。
 もうひとつは、多くの場合お母さん側のご実家がご用意されることが多いことにあります。それは、お嫁に出した大切な娘が嫁ぎ先様で肩身の狭い思いをしないように、というお気持ちが心のどこかにあるからです。
 さらに、若い方々にとって節句はクリスマスやバレンタイン、バースデイなどよりはるかに存在感の薄い行事でしょうが、ある程度年を召された方にとって正月やひな祭り、端午、お盆などの日本古来の節句や行事が日本人としてとても大切な、クリスマスなどよりずっと大切な行事であることが身にしみてわかっておられるからです。
 「祈る」「祝う」というのが節句の本質です。そのための象徴として、あるいは依り代(よりしろ)として置かれるのが節句飾りです。祈りや祝いのシンボルとして節句人形を飾り、供え物をし、一年の無事を喜び合えるものでなければなりません。といって、そんなに重く考えることもありません。大きくても小さくても、高価なものでも廉価なものでも、あるいは手作りのものでもいいのです。そのお子さまのために用意した節句人形の前でご家族全員が祝い、祈ることができるきちんとしたものであれば良いのです。

 当店で扱う節句飾りに、流行品やおもちゃに類するもの、戦国武将兜などがないのはこのためです。お客様の「祝い」や「祈り」にふさわしいものでなければ、専門店としての存在価値はありません。流行品やおもちゃ類は言うにおよばず、戦国武将兜は節句にはふさわしくないので扱いません。戦国武将には平和的な成功者はひとりもいないからです。伊達政宗の兜はかっこういいから売れますが、かれは片目です。真田幸村の兜の六文銭は三途の川の渡し賃です。縁起が悪すぎます。最高の成功者、徳川家康でも豊臣家のみなさんからはあまり良くは思われません。戦国武将にはかならず多くの敵がいて、たくさんの怨みを背負っています。ですから、平安時代の昔から、江戸時代でも、新しい赤ちゃんの節句祝いにはその子用に新しい鎧兜を飾り、昔のだれかのものを模して飾ると言うことは決してなかったのです。
 他にも、一般のお店さんにはあっても当店にはないものがあります。逆に当店にしかないものもたくさんあります。それは、節句の意味を知り、守らなければならないことを守っている、それだけのことなのです。
 この地で135年間続けてこられたのも、「ここで揃えれば間違いない」と地域の皆さまに喜んでいただいているからこそなのです。そんな皆さまへの日々の感謝を、若いお父さんお母さんにお返ししたいと考えています。
画像はきわめて古典的なのですが、当店以外ではご覧になることは難しい節句飾りです。とてもおしゃれです。
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3月12日 女子マラソン 交通規制

今度の3月12日・日曜日は市内で国際女子マラソンが開催され、当店のすぐ東の伏見通り(国道22号)も交通規制が行われます。ご注意を!
 この伏見通りは10時~15時ころまで通行できません。これに伴い、名古屋高速「丸の内出口」も封鎖されます。
 堀川に沿った通りと、その西の江川線は大丈夫ですので、堀川東沿いの「五条橋東」の交差点から東へ坂を上がって下さい(エンドージ商店街アーケードの東へ延長線です)。当店前も「通行止め」の看板が出されますが、「大西人形へ行く」と言ってくだされば進入できます。
 どうぞお気を付けて!

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端午の節句

 店内はすっかり端午の節句です。最近は「子供の日」とか「ゴールデンウィークの1日」としてしか認識されなくなり、小学生に「端午の節句っていつ?」と尋ねると8割以上がこたえられないという異常(?)な事態になっています。
 これはわたしたち業界にも大きな問題があったのではないかと思っています。ヨロイやカブトを飾ることが端午の節句のように宣伝し、「より安く」「より簡単」に「よりおもちゃっぽく」してしまったがために、端午の節句そのものの意味を見失わせる結果を招いてしまったのではないかと思うのです。
 奈良時代からある「五節」と現代の「五節句」で、共通して残っているのは正月と端午の節句だけです。そのお正月も最近の五節句では「人日」といって1月7日だという人がいて、そうすると古来よりつづく節句は端午の節句ただ一つということになります。それほど大切な日本古来の行事が忘れ去られようとしている事態を招いたわたしたちの責任は大きいと言わねばなりません。
 端午の節句の重要性は、田植えシーズンの到来に由来します。もっとも大切な食料生産のはじめに、貴族も農民も精進潔斎し豊作を祈る、ひいては一年の安寧を祈願する大切な日であったのです。武家の台頭を見てからは、この大切な日にわが子の立派な成長を祈る日となり、よろいやかぶとを飾る風習が始まります。江戸時代には大きなのぼりを家の前に建ててこの日を祝うようになりました。男児がいるかどうかは関係なく、この端午の節句を祝う日であったのです。特に新しく男児が生まれた家庭では盛大に祝われたことはいうまでもありません。菖蒲湯に入り、チマキや柏餅を武者人形やよろいかぶとに供え、無事な一年に感謝し、豊かな一年を祈ります。チマキや柏餅はいただく前に供えなければなりません。神に捧げたお供えをその後いただくことによって、神との一体化、祈りを聞き届けられた証となるのであって、これは世界中の民族に見られる風習で、特定の宗教的な行事ではありません。飢饉や病気、天災など人知を越えたできごとを「厄」と考え、厄除けの行事として大昔からある自然発生的な人間の知恵だったのだと考えられています。
 この端午の節句の対となるのが、現在も天皇陛下のもっとも重要な儀式のひとつ「新嘗祭」です。その年にとれた農作物を神に捧げ、感謝する行事です。11月23日です。
 この「端午の節句」に人形やよろいかぶとを飾り、これを象徴として供物を供え、天にお子さまの成長や一年の安寧を祈る、そして菖蒲湯に入りお下がりのちまきや柏餅をみなさんでいただく、そのための調度品をご提供するのがわたしたち人形屋なのです。お子さまにとってご家族が用意された五月人形は、生涯、そのお子さまにとって端午の節句の調度となり、入試や就職、結婚、出産など人生の節目節目に大きな力を与えてくれるものとなります。五月人形はどんな神社やパワースポットよりも強いちからを与えてくれるものとなります。それは、お生まれになったときからずっとご家族のみなさんの強い願いがこめられた、「その子だけ」に特化された唯一無二のお守りだからです。
 こんな思いを持ちながら、当店では現代の生活空間にどのように飾っていただくかをお客様と一緒に考えてご提供しています。きわめて古典的なかぶとですが、飾り方によってこんなにおしゃれです。
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今日はうれしいひな祭り

 今日はひな祭りです。日本の女の子、おかあさん、おばさん、おばあちゃんに至るまで、老若を問わず年に一度、一年の無事を祝い、また、来たる一年の安寧を祈る大切で楽しい日です。できれば、全員のお雛さまを並べてください。
 雛人形は、これを飾ることがひな祭りではなくて、象徴として飾られた雛人形を通して、いわば天に祈りを捧げるためのものです。ですから、お雛さまにはなにかお供えをしてください。菱餅やお膳などの雛道具がお雛さまにはついていますが、これは本当に菱餅やお料理を供えるためのお道具ですので、今日と明日だけは本物ををお供えくださるといいですね。
 昨日の朝日新聞夕刊に記事が載りました。3月3日にお雛さまをしまわないとお嫁に行けなくなる・・・なんて、最近(ここ数十年ですが)言われ始めた風評のせいで、今夜、夜中までかかってお雛さまを片付けなければならないハメにおちいるお母さんが全国にいらっしゃいます。それはウソです。記事にもありますが、昭和以前には一般家庭に電灯がありませんでした。もともと、夜にお雛さまを片付けるのは不可能だったのです。名古屋の徳川家でも、昔から3月4日にお雛さまにお礼のお供えをしてからゆっくり片付けるしきたりになっています。4日以後の、お天気の良い、時間に余裕のあるときにゆっくり片付けてください。そのとき、もし、人形やお道具に傷みやよごれがあったら、購入した人形店にご相談ください。来年、飾るときまでにきちんと修理してくれるはずです(このためにも、ちゃんとした店舗でお求めいただくことが大切です)。
 「3日にしまえないからお雛さまを後ろ向きにする」なんてのは、もともとありえない仕業です。祈る、見守るという関係にあるお雛さまを後ろ向きにするなんて、きわめて縁起の悪いことですのでやめてくださいね。

 どうぞ、楽しいひな祭りを!!
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