端午の節句

 先週18日は旧暦でのお雛まつりでした。雛まつりは旧暦で行い、端午の節句は新暦で、という地域もありますので今年のように少し旧暦が遅れている年は、雛まつりが終わるとすぐに端午の節句ということになります。お母さんにとっては忙しいのですが、いっぺんにすんでいいかもしれません(笑)。
 雛まつりとはいいますが、端午まつりとはいいません。桃の節句、端午の節句という言い方では同じ節句です。もとをたどればお雛さまは公家の文化が発祥、ヨロイカブトを飾るのは武家の文化ということなのだからなのでしょうか? もっとも、節句という観点からすれば、端午の節句の方がはるかに歴史は古いのですが。
 わたしたち人形屋は、節句とはなにか、というようなことをいつも念頭においています。赤ちゃんのために兜を飾るのもよいのですが、端午の節句はすべての日本人にとっての祝祭日です。それはおじいさんにとっても、女性にとっても祝いの日なのです。いわば、お正月と同じような日なのです。
 ですから、人形店ではお子様用だけではなく、大人向けの端午の節句のしつらえ品も扱っています。ご高齢の女性がご自宅用に飾り馬や、粽飾り(食べれませんが)をお求めになることもあります。
ヨロイカブト飾りも同じこと、お子様用にお求めいただいたものは、お子様が成長し一家を構えたときにもきちんと「節句のしつらえ」としてお飾りいただけるものでなければなりません。当店が「流行のものを扱わない」理由はそこにあります。
 戦国武将の甲冑も、武将の所業や敵味方がはっきりしているので、「縁起」が最も大切な節句のしつらえとしては用いることができません。江戸時代にも用いられなかった理由はそこにあります。基本は、「世界で最も美しい武具」といわれる平安鎌倉時代の甲冑をもとに、お子様のために手垢のついていない、新しいものをあつらえるということです。片目の武将や、三途の川の渡し賃をつけた武将の兜では、たいせつな縁起を考えたとき節句のしつらえにはならないように思います。もちろん、成人して自分でお求めになる分にはなんの差し障りもありませんが。
 いろいろなしつらえを楽しめる端午の節句、「こどもの日」という妙な呼称になってしまいましたが、おとなも楽しめる日になるといいなと思います。
IMGP5372.JPG

アーカイブ

ウェブページ

大西人形本店Webリンク