「冠」と「でんでん太鼓」~踏歌祭神事御物~ の最近のブログ記事

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 踏歌祭(とうかさい、とうかまつり)は、平安時代から続く、正月の行事のひとつで全国の由緒ある神社などで今でも行われています。
 
 その祭りに使われる御物がいくつかあるのですが、この「冠」と「でんでん太鼓」はその中の一つです。今ではほとんど作られないものばかりですので、作るのにとても苦労しました。これまで使われていたものは江戸時代に作られたもので、さすがに傷みも激しく、この際新調しようというお話をいただいて制作したものです。

冠は楮(コウゾ)紙を何重も漆で貼り重ね、麻などで補強してこしらえられています。でんでん太鼓も、やはり和紙と漆を主にこしらえられています。

 制作には調査も含め、とてつもない手間がかかりましたが、できあがった御物はどことなく土の匂いのする、こう申しては失礼かもしれませんが、なんとなく愛敬のある、いいものに仕上がりました。
 これから数百年後に再び作りなおされる時、恥ずかしくないものになったのではないかと思います。

 このように、歴史的なものや神様や人の営みに関わるものを作らせていただくのは、苦労も多い反面、達成感というか、とても楽しい仕事でもあります。
 
 このような仕事も、人形屋の仕事の一部なのです。