もうすぐ端午の節句です。

お雛さまと比べ、今一つ若いお母さんたちの関心が低いのが、この五月人形。五月人形というのに人形がないのはなぜ?ちゃんとしたものは可愛くないし、そもそもなぜ飾るのかがわからない、という方も多く、だったら簡単で可愛いものを、ということでだんだんベビー用品化してきているのがこの五月人形です。昔は、神功皇后とか神武天皇、鍾馗、あるいは金太郎などの人形を飾ることが多かったので五月人形と呼ばれているのですが、ほんとは「端午の節句飾」とか、単に「節句飾り」と呼んだ方が合っていると思います。

どうせ赤ちゃんのために飾るなら、小さくて可愛らしい方が良い、どうせ小学生くらいまでしか飾らないのだからと思うのは無理ありません。そのためどんどんベビー用品化が進んできているのですが、ちょっと待ってください、と言いたくなるのがわたしたちのような専門店。五月人形は赤ちゃん用品ではありません。お子様が60歳、80歳になってもお節句のしつらえとして飾り、思い出とともに一年の無事と健康を祈り、感謝する行事なのです。ですから、わたしたちは写真のような可愛いらしいものでも、お子様の生涯にわたって寄り添えるような、ちゃんとした造りの、「流行性のない」ものをご用意しています。

ベビー用品化が進むことで、ちゃんとしたものをこしらえてくれる職人さんがどんどん減少しています。お節句はきわめてプライベートな行事で、ご家族、ご親族の「思い」によって成り立つ行事です。その思いに応えられる節句飾りをご提供していくのがわたしたち節句品屋の務めだと考えています。

一般のお店様で扱われていても、当店では意識的に扱わないものがあります。どうぞその意味もご遠慮なくお尋ねください。

5月5日まで、できる限りのコロナ対策をして無休営業しております。ご来店の際はご一報ください。

写真は「奈良一刀彫の鎧」「木綿の卓上鯉のぼり」「木目込 お兄ちゃんと弟」