雛人形の袴

夕方、できあがった雛人形を職人さんが持ってきてくれました。いろいろなお話をしている中で雛人形の袴(はかま)の話題になり、この話題だけで2時間近く話し込んでしまいました。

男雛は通常束帯(そくたい)という装束なのですが、その袴は下着の上に「大口袴」をはき、その上に更に「表袴(うえのはかま)」というものをはきます。通常、雛人形は表袴あるいは大口袴の下に裾をしぼった「括り袴(くくりばかま)」のような袴を着せます。これは、上に着る袴の裾が開いているために、座ったかたちの男雛の足が見えてしまうのをかくすためです。脛が見えては格好が悪いですから。問題は表袴なのですが、通常の袴とは形状が違うために実際に表袴を作って着せることがとても困難なことです。実際に本物の通りに袴を作って着せたとしても、人形としての善し悪しとはあまり関係がないのにどうしてもこだわってしまうのは職人さんの性(さが)でしょうか。でも、そういう考えをする職人さんのことはけっこう好きです。

最後に「知らない人が聞いていたらなんというオタクたちだろう、と思われるでしょうね」と言われましたが、素人の方がのめりこむのがオタクでわれわれはプロなのだから、オタクではなくて知っていて当たり前のことなのではないかと二人で納得しました。しかし、偉そうなことを言ってもまだまだ知らないことは山ほどあるのです。

写真は男雛の裏側です。これはかなり凝ったつくりになっていますが、こうなってさえいれば良い人形というわけではありません、念のため。