男雛の肩です。最初のはスパッときれいに折られています。2,3は肩のところをつまんで、丸く折られています。
2,3の方は束帯装束の着付けに準じて「衣紋襞(えもんひだ)」を再現しています。肩の線は水平に近く、
折り目はわざわざ丸く襞をつけてあります。どちらが人形としてきれいかはお客様が判断されればいいのですが、
「わざわざ」そうしてあることにご注目下さい。
男雛の肩です。最初のはスパッときれいに折られています。2,3は肩のところをつまんで、丸く折られています。
2,3の方は束帯装束の着付けに準じて「衣紋襞(えもんひだ)」を再現しています。肩の線は水平に近く、
折り目はわざわざ丸く襞をつけてあります。どちらが人形としてきれいかはお客様が判断されればいいのですが、
「わざわざ」そうしてあることにご注目下さい。
黄櫨染という装束の男雛です。即位の礼などで天皇がお召しになる装束です。この織柄は桐竹鳳凰麒麟文の筥形といって、麒麟は竹林に住むと言われ、鳳凰は桐の実を食むというところから採られた格式の高い柄です。上に二羽飛んでいるのが鳳凰、下の方に分かりにくいですが麒麟がいます。
この柄には当然、上下があります。上の写真は前から見たところで、鳳凰が上にいますが、普通に織られた裂地(きじ・おりもの)だと、後ろ側は柄がさかさまになってしまいます。ところが、このお雛さまは、後ろから見てもちゃんと鳳凰が上に来るように織られた裂地を使ってこしらえられています(下の写真)。ごくわずかですが、このようなところまで意識して作ってもらいます。
また、首のところに白い糸で?がありますが、これは高倉流の装束で、山科流で+になっているものもあります。襟口をとめる「とんぼ」というボタンにあたるものをこれでとめてあります。
まさに重箱のスミ中のスミのお話。職人と取り扱う者の単なるこだわりです。
お雛様の衣装に使われる裂地は、人形だからと言って特別に薄いわけではありません。
だから、この襟元は職人にとって腕の見せ所のひとつでもあります。十二単というくらいなので、多くの衣装が着重ねられる襟元は、
その厚みを感じさせないよう、どのように自然に見せるかが問われます。重ね方にも一枚ずつ交互にする人もいれば、全部を一緒に
重ねる人もいます。重ね方は好みでしょうが、美しく自然に見せる技術と工夫に差が出ます。
三人官女の真ん中の人が持ってるのを「島台」といいます。宮中の大切なお祝いの行事に飾られるもので、蓬莱山を表していると言われ
松竹梅に鶴亀、お人形などもこれに飾られます。それを羽子板にしたものがこれ。縁起物の羽子板をさらに縁起良くしたものです。
高さ24センチほど。