連載 お雛さまの重箱のスミ 118

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お雛さまの屏風 ~3~

 雲と霞(かすみ)の縁起

砂子遠山屏風(六曲一双)

砂子遠山屏風(三曲)

かすみ色々小石入

山と同じくらいお節句に用いられる絵柄に、「雲」や「霞(かすみ)」があります。これは古来、宮中で赤ちゃんの誕生などおめでたいことがあると御所の上に金色の霞がたなびくという「瑞祥」を表したものとされています。

一番上は金砂子屏風で、細かな金箔を手で振って雲を描いたものです。何種類かの色の違う金箔が用いられています。

二番目は同じ砂子屏風ですが、三曲の屏風ですので少し淡い雲の表現になっています。前に置かれるお雛さまがとても格調高く見えます。

三番目は一、二番目の砂子より少し大きめの金箔を用いています。これを小石とよびます。赤や青の箔も使い、明るい表情になっています。かわいい系のお雛さまも品良く飾ることができます。

「縁起」や「様式」にのっとるというとちょっと堅苦しく聞こえますが、様式にのっとってお人形や雛道具を組み合わせると、自然に上品なひと揃いになるのが不思議です。

節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ

これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、生涯学習教室様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。

※この記事の無断引用は固くお断りします

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