連載 お雛さまの重箱のスミ 126

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 お雛さまの意味 ~その3~

   幸せなお雛さま

幸せなお雛さま

美しい衣装の裂地です

小さなお椀のフタも全部揃っています

雲上流の桜橘

これは 現在 販売中の小さなお雛さま

 

 何年か前、80を過ぎた女性が「私のお雛さまを預かってほしい」といらっしゃいました。「私が生まれたときにおじいさんが苦労して買ってくれたお雛さま」だということです。90年ほど前のお雛さまということになります。供養に出したり、知らない施設に寄贈するのもいやだということで、多少ご縁のある私のところに持ってこられたのです。

 拝見して驚きました。良いお人形であることは一目でわかりますが、それよりもたくさんある人形の持ち物・小道具などがすべてそろっているのです。太鼓のばち、随身の弓矢、お膳のふたなど、ひとつもなくなっていません。経年による多少の傷みはありますが、ほんとうに大切に毎年飾っていただいていたのがはっきりとわかります。毎年飾るのが楽しみで、「大好きなおじいさんが買ってくれた・・・」と話される表情は童女のようでした。海外に居住する息子さんのところに転居するので、どうしても持っていけないということなのです。いつでもお返しするということでお預りすることにいたしました。戦争も経験されたいへんだったと思いますが、このお雛さまはそれを見守り、いま、お役を終えることのできた「幸せなお雛さま」なのだと思います。(ただ今展示しています)

◇参考:一番下の写真は、今、販売中のお雛さまです。幅60cmほどの小さなお雛さまです。幸せなお雛さまになってほしいです。

 

節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ

これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、生涯学習教室様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。

※この記事の無断引用は固くお断りします

  • このエントリーをはてなブックマークに追加