連載 五月人形の重箱のスミ 131

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力紙

 桃太郎と暫

桃太郎

(屏風と台をつけても10万円以内)

桃太郎の頭の上にウサギの耳のような白い紙がついています。桃太郎にはつきものなのですが、これを「力紙(ちからがみ)」といいます。これは、歌舞伎で力のある者、勇者の印としてつけられるもので、代表的なのは「暫(しばらく)」の鎌倉権五郎です。暫と言えば、浅草の観音様の裏手に巨大な暫(9代目 団十郎がモデル)の銅像があります。

この桃太郎の作者、現代の人形師の中では最高峰と思っています。自身で製作すれば高額になりますが、工房で彼の指示の下で何人かの従業員が作るのでたいへんお安く買うことができます。一般の人形師は主に胴体部分だけを作り、お顔は頭師(かしらし)から供給されることが多いのですが、彼はお顔からすべて自身で制作することのできる稀有な職人です。昭和後期から平成、令和の時代を代表する人形師であろうと私は思っています。「人形作家」は何人もいらっしゃいますが、美術品として流通するものは一般には手に入りません。これは、どなたでも手に入る極めて完成度の高い節句人形です。

 

節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ

これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、生涯学習教室様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。

※この記事の無断引用は固くお断りします。

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