連載 重箱のスミ ⑧

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平緒と太刀のこと その一

  ~太刀は佩く、刀は帯びる(または差す)~

 人形用の太刀

 天皇の象徴として三種の神器(じんぎ)があります。

 三種の神器とは「鏡、剣、勾玉(まがたま)」、すなわち「八咫鏡(やたのかがみ)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ=草薙剣:くさなぎのつるぎ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」のことです。現在は、鏡は伊勢神宮に、剣は熱田神宮に、勾玉は御璽(ぎょじ)となって皇居にあり、鏡、剣は天皇と言えど見ることもできず、「そこにある」ことになっています。即位の礼などで用いられる現在の三種の神器はそれぞれの形代(かたしろ)であり、鏡は皇居の神殿にも祭られています。

 草薙の剣は、「剣」なので諸刃の直刀だと思いますが、だれも見た方はありません。即位などのときには、儀礼用の「反り」のある太刀が用いられています。草薙剣はご存知のように、日本武尊(やまとたけるのみこと)が所持していたものですが、儀礼用の太刀には鞘(さや)や柄(つか)に美しい装飾がほどこされ、装飾された紐で刃の方を下にしてぶらさげるようにして佩(は)きます。  ーつづくー

 

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これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。

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