連載 七夕の重箱のスミ 106

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七夕 ~その四~

お相撲 ②

相撲神社

 

 相撲にからんで。以前、大阪場所で太田房江知事が優勝力士の表彰に臨み土俵に上がろうとしたら拒否されたという事件(?)がありました。ときどき女性は「不浄」ということでこの大相撲事件をはじめ、全国のお祭りなどで参加を拒否されることがあります。

 しかし‼ 日本国で最も神聖清浄な場所とされているのは宮中三殿です。ここでは、あらゆるものが清浄=清(きよ)と、不浄=次(つぎ)に分けられ不浄のものは近づくことが許されません。そして、ここに入れるのは、皇族を除けば女官、つまり女性だけなのです。最も神聖清浄な場所に男は入れない。つまり、男は不浄なのです。平安時代に最も恐れられたのは「死」で、人であろうと動物であろうと、それに触れた者は一定の期間を謹慎しないと外に出ることも許されませんでした。土俵は神聖と言われますが、男同士の血と汗が染み付き、相撲の始まりには土俵上で殺人が行われています(105参照)。土俵に上がれない事件は、ひょっとしたら女性をそんな不浄な場所から遠ざけ、守るための方便ではなかろうか?
この説に反対の方は、宮中三殿に女官ならぬ男官も採用すべし、という運動を起こすべきかと思います。(もちろん冗談の粋を出ない話ですので本気にしないでくださいね。)自分を清浄無垢と思っている男なんていないと思いますが、そう言い張ることで自分の立場を守りたい悲しい男の性と思っていただければ幸いです。女官のみなさんの、「清」を守り抜くための驚くべきしきたり、執念のようなものを知ると頭が下がります。これこそが日本文化の核なのかもしれません。(尤も、そのしきたりが整ったのは近代になってからのようですが・・・)

 

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