連載 七夕の重箱のスミ 104

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七夕 ~その二~

 梶の葉

習字が上手になれますように

書けるけど、葉っぱのかたちが書きにくい

あ~、へたくそ・・・

 

 お正月の「松」やひな祭りの「桃」、端午の節句の「菖蒲」のように、節句には象徴となる植物があります。では、七夕は?

 「笹竹」でもいいのですが、「梶」なのです。

 梶は梶の木(カジノキ)というのが正式な名前のようです。中部地方以南に分布しますが、特に古墳時代、九州の大分県では豊富だったようで、豊国(豊前、豊後)と呼ばれ、柚富(由布)の名もこの梶の木に由来するそうです。当時は神木として貴ばれ、その葉っぱはお供え物の敷物にも使われていました。

 木の樹皮から和紙が作られます。また、木綿の材料にもされたようで木綿(ゆう)と由布(ゆふ)も関係ありそうです。

 一方、楮(コウゾ)という和紙の材料になる植物があります。これは、ヒメコウゾとカジノキの交雑種だそうで、学名にKajinokiが含まれています。

 葉っぱのかたちはどちらも似ていて、春には桜の葉のような形ですが6~7月になると写真のようなかたちに五裂します。

 衣服や和紙の材料にもなる神聖な植物なので、七夕の象徴となるにはぴったりですね。墨をはじかずに書けるということなので書いてみました。書けます!

 

節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ

これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。

※この記事の無断引用は固くお断りします

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