五節句とお正月 ~その二~
お正月の節句飾り
お正月飾り
宝尽くしのお三方に縮緬細工のお鏡餅
雛祭りには「桃」、端午には「菖蒲」など、節句にはそれぞれ象徴する草花があります。お正月は「松」であることにだれも異論はないでしょう。でも、一月七日にするとそれが「春の七草」になってしまいます。奇妙です。
わたしたち節句品をあつかう者にとっても、お正月は「門松」であったり「破魔弓」「羽子板」「凧や独楽(コマ)」、「お鏡餅」など数々のしつらえの商品がありますが、一月一日が節句でないとすると破魔弓や羽子板は節句品ではなくなってしまいます。
更にさらに、節句というもの自体、実は明治五年に暦から法的に削除されています。つまり、今の節句行事は民間が「勝手に」やっていることなのです。ですから、五月五日は「子供の日」で、「端午の節句」ではありません。この日を「端午の節句」とすると、「じゃ、他の四つの節句はどうするの?」ということになります。そうするとお正月(一月)は一体どっちを節句にしたらいいんだ?という面倒なことになるので、五節句が公的に認められるのはまだまだ先のことでしょう。
そこで、われわれ節句品を扱う業者は、「勝手に」一月一日を「お節句」として破魔弓や羽子板などのお正月の「節句品」を扱わせていただいているのです。
こんなことを考えるのは、重箱のスミっこにへばりついている米粒をなんとかほじくり出そうとするのに似ています(笑)。
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