可愛いとは? お雛さまのお顔


「可愛い」と「稚拙」はまったく違うものです。お雛さまの役目・務めはお子様を生涯にわたって見守り、雛祭りに飾られることですので、大人になっても鑑賞に堪えうるものでなければなりません。そうしたお雛さまであれば、70歳80歳になっても雛祭りのたびに飾ることができます。
これはそれを意識して作られたお雛さまのお顔です。今回は「可愛い」をテーマにしましたので、より可愛らしさを表現した木目込人形にしました。どれも手のひらに乗るような小さなものです。マユや目は、ひと筆では見えるか見えないかの薄い墨ですが、何十回も筆を重ねることで濃く、深みのある表情になります。目元や口元のかすかな凹凸は何度も胡粉を塗り重ね、磨くことで生まれます。こうした技術で生み出されたお顔は、お子さまがおばあさんになっても変わらずに愛されるお雛さまになります。
お雛さまはおもちゃではありませんので、「品(ひん)」と一種の「気高さ」が可愛らしさとともに備わっていなければなりません。アップにするとよくわかります。
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