いいものって?

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この時期になると、よくお客様から、他店様で「良いものは4月にはなくなるから、今年はあきらめて来年にしなさい」と言われた、とお聞きします。

それらのお店さんで言われる「いいもの」とは何でしょう?それは、「今年のはやりのもの」という意味なのです。節句飾りは一年の一時期にしか売れません。お店や売り場そのものが5月から10月頃まで閉まっているところもあります。そして、そうしたお店ではその時期に合わせて短期間に売り切れるように、その年の「流行」を作り出し、「いいもの」として宣伝します。その「いいもの」は大量に作り、売り出され、そして、売り残さないように3月中には品切れになります。一般的な日本語の「いいもの」とは少し意味が違います。ちゃんとしたお店でしたら、5月4日にお誕生のお子様の「初節句」にも備えて、「いいもの」をご用意しています。

節句飾りはお父さんやお母さんのものではありません。そのお子さんのもので、生涯にわたって飾られるものです。飾られる回数は、赤ちゃん、子供の期間より、大人になってからの方が圧倒的に多いのです。「5年か10年しか飾らないんだから」と言っておられるお店もあると聞きます。なにかを勘違いしています。お客様に対して、極めて失礼です。

例えは悪いのですが、お仏壇を買う時に「ことしの流行は?」と聞く方はいらっしゃいません。それは、一生に一度買うかどうかのものですし、一度買えば何十年、あるいは百年以上使うものだからです。節句飾りは一生に一度、ご家族がお贈りになるもので、そうした意味ではよく似ています。

どうぞ楽しい端午の節句をお祝いください!

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