ローボードに飾ったお雛さま
〇 いつ?
※初節句は早めに、通常は雨水~2月末に
雛人形を飾る時期についてはいろいろ言われています。お嬢様の初節句の場合にはお披露目の意味も含めて1月から飾る方もいらっしゃいますが、一般的には2月の立春過ぎから2月末がよろしいでしょう。よく言われる雨水の日は2月18日ころですので、タイミング的にも良いですし、遅くとも2月末までに飾っていただければよろしいかと思います。
地方によっては、ひな祭りを「旧暦」や1ヶ月遅れの「月遅れ」で催されるところがあります。
もともと旧暦での行事ですし、季節感で言っても旧暦や月遅れの方が合致しています。
ですからお雛様の桜は満開になっています。
日柄を気にされる方は仏滅など避けられればよろしいですが、あまり気にしなくてもいいかと思います。六曜は旧暦に従って順につけられています。旧暦3月3日は必ず「大安」です。一方、5月5日は必ず「先負」です。
〇 どこに?
※見守られる場所に。 キッチン近くは避けて。
直射日光、エアコンの風のあたるところを避けて
床の間があれば一番よろしいのですが、マンションなどにお住まいで床の間のないご家庭も多くなっています。棚の上、タンスの上など、ひな祭りのしつらえとしてお祝いのときに見やすい場所が適しています。ただ、キッチンの近くなどは、油などが飛ぶことがありますので避けてください。特に、焼肉などされるときは紙や布をかけていただくことをお勧めします。
方角を気にする方もいらっしゃいます。南向きや東向きといわれますが、それよりも「お守り」ですので、お子様やご家族を見守ってくれる場所がふさわしいと思います。
〇 だれが?
※お子様が大きくなったらご一緒に
どうしてもママが飾ることが多いのですが、大きなお雛さま、特に段飾りなどはパパの力も必要になります。可能であれば、おじい様おばあ様もご指導係として参加されると、近づくひな祭りのワクワク感がより増します。このときに、少し大きくなったお子様には、どんなふうにお雛さまを購入したかとか、どんなに初節句が楽しみだったかなどお聞かせいただくと、お子様の自己肯定感を育みます。
〇 男雛女雛の左右
※どちらでも
大正時代までは男雛は向かって右側にならべるものでした。これは、向かって右側は上座、上手(かみて)と言われているからです。昭和天皇ご夫妻の写真が新聞に載ったとき、たまたま天皇が左になっていたため、当時の人形協会が男雛を左にしようと決めました。以来、男雛が左になっていますが、どちらでもいいかと思います。よく、京雛だから男雛が右、のように言われますが、「時代によって」というのが本当の所です。
一方、桜と橘はお雛さまには付き物ですが、これは、向かって右に桜、左に橘としてください。現在でも、御所や平安神宮などではそのように植えられているからです。
〇 どのように
※ひな祭りは宵祭り
「明かりをつけましょぼんぼりに~」とあるように、ひな祭りは宵祭りです。ご親戚、友人などをお招きしてお食事をするのがメインとなります。また、「きょうはわたしも晴れ姿~」ともあるように、3月3日はハレの日です。ママたちもハレの日らしく、お着物なども改めます。
ここで気をつけなければならないのが、ママをはじめ女性陣の仕事です。なるべく、女性陣がなにもしなくてもいいように、男性陣は気を使いましょう。特にママはひな祭りだからと言ってお子さまの世話から解放されません。おっぱいやお風呂など普段と変わらない日常もそこにあります。お客様も長居をしないよう、また、酔っ払ったりは厳禁です。お友だちやおばあ様たちにもお手伝いいただいて、後でママがてんてこ舞いにならないよう、お片付けもしていただきましょう。
ひな祭りの始めに、お雛さまにもご馳走をお供えをして、お雛さまにお子様やご家族をお守りいただくようお祈りします。できれば、最後にそのお供えを皆さんでいただくと、なお結構です。
3月3日はお雛さまを片付けてはいけません。翌4日にもう一度簡単にお供えをして、1年間の無事を祈ってからしまいます。4日以降のお天気の良い=湿気の少ない時にしまって下さい。「祈る」というのが節句行事の本義です。それは、特定の神様ではなく、天の神様のような大きな存在に対する祈りで、何かの宗教によるものではありませんので、仏教徒でもクリスチャンでも雛祭りは催されるのです。