甲冑 兜 ~その七~
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桃太郎 楽しいお節句を!
鐘といえば道成寺

道成寺の羽子板
お寺の鐘と蛇と言えば、有名なのが歌舞伎の「道成寺(どうじょうじ)」です。こちらは、通りがかったいけめんのお坊さん安珍に清姫が一目惚れ、修行の帰りに再び立ち寄るからと約束したもののあっさり振られた清姫が怒り狂って大蛇となって追いかけ、道成寺の鐘の中にかくまわれた安珍を鐘に巻き付いて焼き殺してしまうという物語です。鐘と蛇とはどうやら深い縁があるようです。
羽子板によく用いられる外題(げだい)のひとつに、この道成寺があります。たまに、縁起物なのにどうしてこんな縁起の悪そうなものを採り上げるのか、とお尋ねいただくことがあります。羽子板にはこのほかに「汐汲(しおくみ)」「浅妻(あさづま)」「藤娘」などがよく用いられますが、そういう意味では縁起のよさそうなものはありません。
わたしたち人形屋が、羽子板は女の子の初正月の縁起物として売り出しているのでこのような齟齬が生じるのですが、もともと、羽子板の日本舞踊の外題にはあまり意味がないのです。例えていうなら、玉三郎の道成寺がとても美しかったので羽子板にしてお部屋に飾るようにした、という感じ。道成寺がどうこうというより、玉三郎の清姫がすごくきれい!というのが大切なのです。歌舞伎に興味のない方には、「かあちゃん、おれ、人を殺しちまったよ」と歌うフレデイ・マーキュリーのポスターを部屋に貼るようなもの、といえばわかりやすいでしょうか。そんな縁起の悪いものを!とはだれも言いません。道成寺の物語は、だれもが芝居の上のことだとわかっているので、その姿が美しければそれでいいのです。
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