甲冑 兜 ~その二十三~
鎧兜の櫃 ⑤
中区 河文様の鎧櫃
自由に定紋を創作してもかまわないのですが、そこはやはり少し意識してご実家の家紋に手を加えたようなデザインにしておくとカドが立ちません。オマージュというやつです。日本では、女性(既婚の場合)の和装の礼装は「黒留袖」です(男性は紋付羽織袴ですが、礼服で済ませる方が多くなりました)。黒留袖の場合、嫁ぎ先の紋を入れることもありますが、多くは(特に西日本では)「女紋(おんなもん)」といってご実家の紋を入れたり、また、それぞれのお家で女紋を決めていたり、新しくご自分で紋を作ったりと、男性の家紋よりもさらに自由度が高まります。どこにも届ける必要がないと思えば、なかなか自由でおしゃれなものでもあります。
また、五月人形をお求めになるとき忘れがちなのが、若いお母さんからみたお舅、お姑様にとってもお子様は大切なお孫様だということです。その節句のお飾りに御家紋をお入れしておくと「こんなところにまで気を使ってくれた」と間違いなく喜ばれ、印象もたいへん良くなります。
家紋はなくても通常はまったく困ることはないのですが、結婚式やお葬式の時など家紋を知らないと苦労することがあります。兜の櫃などに入れておくと、子供心にも強く印象に残ることになります。
お櫃や家紋のお話はひとまずここまで。次回からどうでもいいような細かいお話にうつります(ここまでも、ほとんど、どうでもいいような話題ばかりでしたけど・・)。
節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ
これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。
※この記事の無断引用は固くお断りします。