弓と太刀 ~その一~
太刀
太刀。
分銅鍔、彫金、覆輪の鞘。
太刀。
分銅鍔、鳥頭の柄、木製梨地塗覆輪の鞘。
お節句の飾りの鎧や兜につきものの弓と太刀。男雛のところでも触れましたが、太刀のお話です。(重箱のスミ 12 をご参照ください。)
お節句に飾るのは、実は、「刀」ではなく「太刀」、その中でも「飾り太刀」と呼ばれる儀礼用のもので、いくさをするための刀とは少し違うものなのです。太刀は、刃を下にして革や紐で帯にぶら下げて着けます。「佩く(はく)」と言います。対して、刀は刃を上にして帯に「差し」ます。博物館などで展示するときも、これに従って太刀は刃を下にして展示します。
公家の文化に倣って、戦国時代以後でも元服や男子誕生のときなどに、この飾り太刀を奉納し、成長を祈願しました。
様式的には、鍔(つば)が分銅のかたちの分銅鍔、柄(つか・にぎり部)は紐を巻かず、鮫皮や金属、先端が鳥の頭のものなどがあてはまります。鞘も金属製であったり、木製でも蒔絵や梨地塗、覆輪(ふくりん)などの装飾が施されています。ときどき時代劇で浪人がさしているようなチャンバラ用の「刀」が節句用に飾られているのを見ますが、お節句のお祝いには「縁起」や「様式」が大切なので、こうした「飾り太刀」を飾っていただきたいものです。
節句文化研究会では、こうした 面倒臭いけどなんだか楽しい節句のお話を出前しています。カルチャースクール、各種団体、学校などお気軽にお問合せください。→HP最後のお問い合わせメールからどうぞ
これまで、いくつかの和文化カルチャースクール様、ロータリークラブ様、徳川美術館様、業界団体様、中学の授業などでお話させていただいています。
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