連載 重箱のスミ ⑥

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男雛の装束 魚袋と石帯 その一

(黄櫨染の装束についている魚袋。長方形の白い箱。金色の鯉がついています。)

 先の黄櫨染の男雛ですが、装束をまとめている黒いベルトを石帯(せきたい)といいます。この石帯に魚袋(ぎょたい)という印籠(いんろう)のようなものがつけられていることがあります。魚袋は、御所に出入りするときの身分証明のような働きがあったと言われています。つまり、御所に住まわれている帝=黄櫨染の装束を着た人物には魚袋がついているのはおかしいのですが、これも「人形なので」許していただきたいところです。意識せずにつけている職人さんもいらっしゃるかもしれませんが、「付いている方が高級」なんて言って販売しているお店もあり、職人としてはつけざるをえないという理由もあるようです。「袋」とついていますが、袋にも箱にもなっておらず四角い木のようなものを革などで包み、装飾されたものです。 ーつづくー

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