2010年2月アーカイブ

しきたりって?

 お雛様の売り出しも峠を越え、人形店ではそろそろ五月人形に切り替えの準備です。

 お雛さまをお求めいただいたお客様からときどきいろいろなご相談をいただきますが、ほとんどの方はお雛様のきちんとした知識をお持ちでなく(当然ですが・・)、また、業者もあまり積極的にご説明をしないので、私たちもびっくりするような「しきたり」をお聞きすることがあります

 (その1) 「3月3日の内にお雛様を片付けないとお嫁に行けなくなる。」

 最も流布している「しきたり」です。もちろん、うそです。昭和30年代頃からまことしやかに流され始めました。これは、そもそも無理なしきたりなんですね。お古いお家で、お祖母さま、お母様、娘さん、赤ちゃんのと、いくつも飾られるところは全国にたくさんいらっしゃいます。飾るのに3日しまうのに4~5日かかるお家のお嬢さんは絶対にお嫁に行けなくなります。そして、もう一つ、3月3日とはいつのことでしょうか?現在でも雪の多いところなど、旧暦の3月3日に雛祭りをされるところはたくさんあります。今年は4月16日です。このしきたりによれば、こうした地域の方は一体いつ片付けたらいいのでしょうか。名古屋の徳川美術館さまでは、お雛様展を毎年4月の中旬まで催されます。徳川家のお嬢さんたちは皆、お嫁に行くのが遅かったのでしょうか。  お姑さんに、3月3日の夜に、「今日中にお雛様を片付けなさい」と命じられ、もう二度と雛祭りはしたくないと泣かれた方がいらっしゃいました。お雛祭りの本来の意味が台無しです。お雛様につきものの桜と橘、この桜が満開なのを見てもわかるように、本来は雛祭りは4月に催すものだったのです。 お雛様を片付けるのは、お天気の良い、お母さんたちの時間がたっぷりある日の、できれば昼間にしてください。明るい時にゆったりした気持ちでかたづけるのが一番のコツです。破損や汚れなど、昼間だとよくわかります。

 (その2) 「3月3日を過ぎたらお雛様を後ろ向きにするのよ」

 もちろん、うそです。お雛様を何のためにお求めになったのかを考えていただければわかります。お嬢様のお守り・厄除け・お祝いとしてお嬢様に贈られたはずです。お雛様に見守っていただく、というお気持ちで飾られたはずです。宗教ではありませんが、仏像やキリスト像を後ろ向きに飾ることは、古今東西絶対にありません。お雛様を後ろ向きにするなど、最も縁起の悪い飾り方です。(その1)でも申し上げたように、本来は4月の行事です。3月中なら片付けるのは早すぎるくらいです。どうか後ろ向きにしないで下さい。

 (その3) 「お雛様を2組以上飾るとお雛様同士がけんかをする」

 これももちろん、うそです。そもそも、お雛祭りは子供のためだけの行事ではありません。お正月や節分、七夕、お盆、お月見、クリスマス(?)などと同じ、子供も大人も等しく祝う日なのです。「子供がいないから、今年のお正月はやめ」というのと同じで、お母さんもおばあさまも、等しく女性として生まれたことを喜び、無事に一年を過ごせたことを祝い、男性は感謝を捧げる日なのです。できれば、お母さんのお雛様も、おばあさまのお雛様もお嬢さんのものと一緒に飾って、この節会を御祝いして下さい。旧家では3組も4組もそのお家にいらっしゃる女性の分だけのお雛様を飾って御祝いします。

 (その4) 「お雛様は日柄のよい日に飾る」

 これにはあまり意味がありません。「日柄」というのが問題で、一般には大安・仏滅などの「六曜」が中心なのですが、実はこれは一ヶ月30日を先勝・友引などの6つで割っただけのもので、太陽暦を導入した明治政府も「これは迷信でもなんでもない」ということで使用許可になったものなのです。まあ、昔の日・月・火・水の曜日代わり程度のものなのです。ちなみに、これは仏教とは関係ないもので、お釈迦様や親鸞聖人も禁止している迷信の類です。気にするとすれば、一番大切な「雛祭りの日」そのもののはずなのですが、これは仏滅だろうが三隣亡だろうが、皆さん3月3日に催されます。 ただ、お届けに「大安の日を・・」という方は多く、お気持ちの問題なのでなるべくご要望に添うようにはいたしますが、「大安と三隣亡」が重なる日など、どうしていいかわからなくなります。これに二十八宿が加わると、お届けできる良い日柄はほとんどなくなります。  蛇足ですが、旧暦の三月三日は必ず「大安」です。

    

美味しい名古屋~四   幸せの碗

 渇えたときの一滴の水、飢えたときの一掬の粥、極限状態でのこれらは無上の旨さといいますが、こうした状況に陥っていないことに私たちは幸せを感じなければならないのでしょうが、飽食といわれる現代の中にあっても「幸せだな~(加山雄三風)」と思える一碗にときどき出会います。

 ひとが幸せを感じる瞬間にはいろいろありますが、その一つに美味しいものとの出会いがあるように思います。

 当店のすぐ近くの「かみその」さんに久しぶりにうかがいました。「百合根のお団子にカニ」と「お大根にアワビ」、「鳥すきのお雑炊」です。今回はありませんが、締めの「鯛茶漬け」は幸福感の絶頂に連れて行ってくれます。世においしいものはたくさんありますが、幸せを感じさせてくれるものはそんなには多くありません。

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美味しい名古屋~三  草餅

 またまた おまんじゅうです。

 草餅はわたしたちも「よもぎ餅」と思っていますが、昔はハハコグサで作ったそうです。ハハコグサといえばお雛様に関係があって、菱餅の赤、白、緑、この緑がハハコグサの色なのだそうです。で、ハハコグサとは通名「ゴギョウ」、そう、春の七草のひとつなんです。

 今では草餅といえばこのよもぎ餅ですが、写真は長栄堂さんの草餅です。「美味しい名古屋」カテゴリに入っていますが、お店の場所は桑名です。ここのヨモギはご主人が毎日自分で採りにいくそうで、香りもよく、あんことの調和も格別。桑名へ行ったら買わずには帰れません。

 そしてもう一つこのお店には「お楽しみ」があります。この時季には、お店に素晴らしいお雛様が飾られるのです。一見の価値があります。

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