2012年11月アーカイブ

さくら

 お雛さまを飾るお道具のひとつに桜橘があります。京都では舞妓さんのかんざしやいろいろなお祭りで造花が用いられるので、その技術は高度に発達しました。写真はその中でも最高クラスといってもいいでしょう。つぼみから満開の花まで何種類もつくり分けられています。花びら一枚一枚をぼかして染め分け、小さな鏝で丸みやしわをつけていきます。おしべめしべをつけ一輪一輪の茎をごく細い絹糸で巻き、全体のかたちを整えます。
 人形だけでなく、屏風や造花などお道具類もふくめるとお雛さまの一揃いには日本の伝統工芸のほぼすべての技術が含まれています。

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美味しい名古屋~七~

 堀川の五条橋近くに勝利亭さんがあります。その名は、先々々代が日清戦争の勝利を記念して改名したそうで、名古屋で最も古い洋食屋さんの一軒です。私も、父も祖父も子供のころからここのハンバーグやとんかつはごちそうでした。
 また、チキンミヤビヤやエビコキールという聞き慣れない料理も昔からあって、この辺の住人のひそかな自慢のお店です。
 そして、なにより自慢と言えば世界に誇る現役最年長ウェートレス、92歳の美しいお母さんです。上品な名古屋弁ばりばりです。
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もういくつ寝ると

 店内はすっかり春のムードになりました。お正月とお雛さまです。
 毎日のようにできあがったお雛さまが届けられます。お客様はたくさんのお雛さまの中からお選びいただくのですが、ほとんどの方は初めてお求めになるものですから、判断の基準がわかりません。たいていは赤ちゃんのためにお求めいただくので、「可愛らしい」とか「きれい」とか、「出し入れが簡単」「コンパクト」などを基準に、ご予算やどんなつくり・素材でできているかを考えて決められます。
 当店が他のお店と少し異なるのは、お雛さまを「赤ちゃん」のためのお人形ととらえていないことです。当店ではお嬢様の一生をお守りするためのものと考えています。赤ちゃんや子供でいられるのは10年ちょっと、あとの80~90年は大人になって飾られます。赤ちゃんがおばあちゃんになっても愛していただけるものはどんなお雛さまなのかを、お客様のご希望をお尋ねしながらおあつらえします。一般のお店ではお雛さまをベビー用品やおもちゃの仲間に考えがちですが、お雛さまは、数あるお守りの中であらゆる宗教をこえて最強のものと考えられています。それは、ご両親やおじいさまおばあさまが赤ちゃんのために考え尽くして「ひとつ」贈られるもので、みなさんで赤ちゃんのために実用品以外でこんなに真剣に心をひとつにして贈る贈り物はないからです。
 北京オリンピックで、女子水泳メダリストの方たちが、出発前にお雛さまを飾ってもらったと話しておられました。自分がここにいる意味、ご家族の愛情、これからなすべきことを再確認されたそうです。ご両親やご家族が思いをこめたお雛
005.JPGさまを、このお嬢さんたちはしっかり受け止めてくださっているのですね。
 そんな重要な作業のお手伝いを仕事にできて責任重大ですが、やはり、できあがってくる美しいお人形を見るとみとれてしまうこともあります。
 年末年始を除き、5月まで無休です。見ていただくだけでも歓迎です。毎年見に来られるお客様もいらっしゃるくらい華やかです。どうぞご覧下さい。

できあがったばかりのお雛さま

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