徳川美術館 雛まつり展

2月1日夜、徳川美術館様ロビーにお雛さまを飾らせていただきました。

毎年のことですが、飾り方に色々な工夫ができて結構楽しみになっています。今年は立親王に九人囃子の供そろい、貝合せや犬筥もそえてにぎやかです。
九十九里のハマグリに本金箔を押して四季のお花を手描きした貝合せ、犬筥は陶胎に本金箔を重ねた上に手描きの吉祥文を描きました。
おっと、肝心のお雛さまは垂纓冠に黄丹の袍の御継嗣の姿です。
屏風は滅多に見られない本金絹地の六曲一双。間口2m40cmの大きなお雛飾りですが、ここに飾らせていただくとまだまだ小さい・・・
明日3日からいよいよ開幕ですが、今年から館内スマホ撮影が許可されるそうです!!おそらく、世界一の人形展。海外からのツアーも組まれるほど有名な尾張徳川家の雛まつり展です。
どうぞお出かけください。

 

 

雛活(ひなかつ)

雛活「ひなかつ」という言葉があることをお客様から教えていただきました。何年か前から言われ始めた「ラン活」から出た言葉でしょうね。お雛さま選びのことだそうです。

まさに「雛活」の真っ最中です。

お雛さまを購入されるのはほとんどの方が初めてなので、さまざま悩んでおられることでしょう。

小さなものですと、写真手前の横幅30センチほど、大きなものですと後ろにあるような横幅120センチほど。さらに大きな150センチ程の七段飾りまでございます。価格も7~8万円から数百万まで。

大きさや価格でいうと他店様と大差ないでしょうが、当店の特色は「ベビー用品的お雛さま」を置いていない点です。どうしても赤ちゃんの時に購入されるので「可愛らしい」ものになりがちですが、赤ちゃんでいられるのはほんの数年。すぐに少女になり、十数年もすると成人です。お雛さまは、そこから飾る回数の方が圧倒的に多いのです。中には「お雛さまは小学校に入学するまで」というお店もあるようですが、まったく間違っています。時季になると色々なところで催される雛人形展で飾られるのは、主にお嫁入りの時に持参され、その後もずっと飾り続けられたお雛さまです。

どんなスタイルのものでも、百年くらいは飾り続けられるものでなければ雛人形とは認められませんし、数年で粗大ごみにするにはSDG’s的に考えてももったいなさすぎます。そのために何が大切かというと「品(ひん)」ではないかと思っています。上品なお雛さまは例外なく「よい素材」「よい技術」「優れた完成度、耐久性」を備えています。なので、生涯にわたって飾ることができます。

どうぞ雛活の一環におでかけください。

あけましてめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

新年早々大きな災害が起きてしまいましたが、どうかこれで打ち止めにしてほしいものです。

一日も早く災害に遭われた方々の平穏な日常を取り戻されることを祈ります。

「踏まえます俵の米の数よりも 幸多かれと神やまつれる」千家尊福

皆さまに幸多い年でありますように。

※尊福は、出雲大社の元宮司、政治家ですが、「年の始めのためしとて~」のお正月のうたを作詞した人でもあります。

お雛さま売り出し中です。

お雛さまに大切なのは、一も二もなく「品(ひん)のいいこと」です。どうしても赤ちゃんのときに求められることが多いので、「かわいい」に引っ張られてしまうのですが、そもそも、可愛らしくないお雛さまはありません。

お雛さまは、お嬢様が一生の間ひな祭りのときに飾り、祝うもの、100年間飾れることが必須条件です。そのためには「流行に左右されないこと」「ちゃんとした素材、技術で作られていること」など多くのハードルがありますが、中には5年か10年もてばいいと考えるお店やお客様もいらっしゃって、結果的に数年後に粗大ごみとなってしまうことがふえています。

お店お店の考え方で、扱うお雛さまや雛道具はまったく違ってきます。そんな悲しくももったいないことにならないよう、ちゃんとした考え方のお店を選ばれることがことがお雛さま選びよりも大切かもしれません。

当店のお雛さま~多少のこだわり~

〇 刺繍や金彩の入った装束のお雛さまは当店にはほとんどありません。装束の基本は「唐織」または「錦織」だからです。「絞り」や「友禅」、まして「紬」などはお雛さまの装束としてはありえません。高級品ではそれが「正絹」になりますが、総正絹のお雛さまというのは、木目込人形以外ではほとんどありません。仮に「正絹」と表示されているお雛さまでも、下着や袴まですべて絹というお雛さまはほとんどなく、当店でも最高級品にあたる数点のお雛さまに限られます。※木目込人形は、使われる裂地の枚数も面積も着付け雛に比べると極めて少なくてすむので、総正絹で作ることが容易です。

〇 「屏風」は面積が大きいので、お雛さまの雰囲気に大きく影響します。当店ではほとんどが「表装」された唐紙の屏風です。多くのお店様では、ベニヤ板やMDFという合板に木目を貼り付けたり、プリントや布を貼り付けたものを金属のチョウツガイでつないだものになりますが、屏風というのは、本来「表具師」がひとつずつ仕立てるもので、木ネジで留めるものではありません。手漉きの紙や、雲母を用いた手摺りの唐紙の屏風はそれ自体も上品で美しく、前にあるお雛さまを引き立たせてくれます。

〇 「親王台」という、お雛さまが座っている台があります。畳張りで、前後に「繧繝縁(うんげんべり)」という綺麗な布が貼られています。この繧繝縁こそが、その上にある人形の格を表すもので、源氏物語絵巻などでは人の姿を描かず、この畳のへりを描くだけでそこに誰がいるのかわかるようになっています。木目込人形のような創作人形的なものには畳や繧繝縁を用いないことがありますが、衣裳着の、特に実際の装束に即したお雛様(有職雛系)に「板」の台を用いることがふえてきました。位の低い人は畳に座ることができません。まして、繧繝縁はなおさらです。有職雛系のお雛さまに板の親王台はプロの目から見ると、異様でもあります。そして、その畳に今はほとんどが「和紙畳」と称する黄色い畳が用いられています。この「和紙」とは、コウゾミツマタなどではなく、パルプに樹脂を混ぜたもので、一般の方の思っている「和紙」とはまったく違うものです。できれば、美しいイ草の畳の親王台を用いたいものです。

〇 その他、当店では人形や雛道具のひとつひとつに「ふるい」をかけています。それは、ひとりよがりの思い込みかもしれませんが、すべて、お客様に対しての当店の良心と思っていただければ幸いです。

いま、伝えたい「節句のお話」

こんな本を読んで下さる方がいるのだろうかと恐るおそる出したところ、思わぬご好評をいただき、昨日第3刷に至りました。お節句は3月3日、5月5日、7月7日など奇数のぞろ目なのに、1月はなぜ1日ではなく7日なんだろうという謎。一般の方には極めてどうでもいいことでしょうが、私たち「節句品」を扱う者には大切なことなのです。

それは、「破魔弓」「羽子板」などが「節句飾り」、「節句品」であるかどうかにかかわってくるからです。

といった、節句を大上段から見据えた真面目なお話から、お雛様、端午の節句、七夕飾りなどにまつわる、くだらなくも楽しいお話をいっぱい載せています。

本屋さんにもアマゾンにも出ていませんので、直接お申込みください。税込1650円、遠方の方には送料込2000円で郵送します。

お雛さまカタログ

当店では、お雛さまはご要望・ご条件にあわせてお客様ごとにお揃えすることを基本にしています(もちろん、セットされてならんでいるお雛さまをそのままお選びいただくこともできます)。

このため、これまで「カタログ」というものを作ること自体ができなかったのですが、ご要望が多かったため、今回、ごくわずかのお雛さま集ですが「こんな感じ」という雰囲気がお分かりいただけるよう小冊子を作成しました。

イメージカタログという方が当たっていますが、様式にのっとったお雛さまの美しさと伝統を守ることの奥深さと楽しさを感じ取っていただけるかと存じます。

お気軽に「お問い合わせ」欄からお申し付け下さい。A5サイズ12ページ、無料です。

かわいらしい、美しいお雛さま

いま、お店の中はお正月とお雛さまで春のようです。桜まで咲いています(四季桜ですが)。

 小さなお雛さまでも、段飾りの大きなお雛さまでも、大切なのはお雛さまの持つ空気感(雰囲気)で、それは「完成度」であったり「品(ひん)」であったりと具体的に言葉で表現しにくいものなのですが、お嬢さまの一生にわたってのひな祭りにお飾りいただくにふさわしいものをと考えたときに、まず、基本となるものだからです。ですから当店には、「いかにも可愛いでしょ」という感じのものや「いま、はやりのお雛さま」というものはございません。

 立雛二組は小さなお雛さまですが、デッサンもしっかりしていて完成度の高い「可愛らしい」雰囲気のものです。兎年生まれのお嬢様向きに24センチ程の大きさの羽子板もございます。また、大きな三段飾りは、ほぼ今年最高といってもいい出来のお雛さまです。お内裏様、三人官女は川瀬猪山の手による頭、井上雅風の着付け、官女は手刺繍が施されています。屏風、ぼんぼり、桜橘も特級品です。

 貝合せや犬筥など、可愛らしいお雛道具もいっぱい!お雛さまって見てるだけでも楽しい!

選んで、選ばれて ・・・

 小さなお雛道具です。木製手造り日本製(当たり前ですが)のお道具揃。お客様はお雛さまをお選びにお越しになるのですが、見方を変えるとお雛さまもお客様を選びます。その一番の基になるのはお雛さまへの思いです。お雛さまを飾るのを「面倒くさい」とお思いになるか、「楽しい」と思っていただけるか、この違いです。「面倒」とお考えの方はこうした雛飾りとは真逆のものをお選びになるのでしょう。

 小さなお雛道具です。大きさの比較に並べてあるのは文庫本です。タンスの引き出しもあくようにできています。面倒くさいです。でも、私たちは仕事柄かもしれませんが面倒くさいと思ったことはありません。まして、ご自分のお子様やお孫様のためにこうしたお雛様を飾る、少し大きくなられたらご一緒に飾ることができる、お客様にとってこんなこんなうれしいことは普段の生活の中にはそんなにはありません。

 お選びになるときからお雛さまは楽しいもの。どうぞ楽しいお雛さま選びにお出かけください。

こけし と お正月飾り

ただ今お雛さまの売り出し中ですが、当店はお節句の品々を扱っている人形店なので、「お雛さま」や「五月人形」だけでなく、「羽子板・破魔弓」、そして「凧」や「木の独楽(こま)」も販売しています。そして、めずらしいのが「こけし」です。

なぜだか、今、欧米の方にこけしが人気です。どうやらネットのゲームかなにかでこけしキャラが出てくるようで、お子さんに頼まれてこけしを探しているという方が訪れます。こけしと独楽は同じ東北地方で作られていて、昔から扱っているのです。

お雛さま売り出しました!

すみません、当店のお雛さまはスーパーさんや一般の人形店さんで扱われているお雛さまとはちょっとイメージが違うかもしれません。でも、これが昔から変わらないお雛さまの姿です。こんな感じのお雛さまを141年間、名古屋のまん中で販売しています。

なにが違うのでしょう?まず、考え方。お雛さまはベビー用品や玩具ではなく、お嬢様が生涯、雛祭りをするときに必要なお飾りで、それを昔から「節句飾り」と呼んでいます。節句は五つあって、その中のひとつ、三月のお節句が雛祭りです。赤ちゃんのときに買われることが多いのでベビー用品のように思われる方もいらっしゃいますが、ベビーでいる期間はほんの数年。十数年もすれば立派な大人。そこから雛祭りのたびに飾る回数の方が圧倒的に多いのです。で、「なにが違うか」というと、まず、流行的でないことです。そして、大人になっても飾れる「品質」「上品さ」、ひとことで表現しようとするなら「伝統的」。当店では伝統的であることがなによりも大切だと考えています。

お飾りになる場所に応じて、大きな七段飾りから小さな立雛まで多くの種類を取り揃えています。粗製の量産品や外国製品(※)はありませんので、極端にお安いものはありませんが、良質なお雛さまをどこよりもお値打ちにお一人様ごとにおあつらえしています。

どうぞお気軽にご来店ください。

(※)素材(材木など)や一部パーツは除く。

 

たの・はる展

「たの・はる展」今日から開催です。どちらも「紙」を使った伝統的な工芸品。かわいらしい張子や、かっこいい和凧、遠州浜松の初節句の名入り大凧も展示します。

来年は辰年、龍の張子や凧も縁起物として喜ばれます。

3日はミニ和凧作り、4日はかわいい張子作りも体験できます。どうぞご参加ください。